時計を見ると、まだ朝の6時。
高橋は目を覚ました。
夢の中の声が気になり、寝起きの悪い朝だった。
高橋唱汰、美容師のアシスタント4年目。
燃費の悪い高橋は、
朝はきちんと食べる事にしている。
今日はパンにする事にした。誕生日プレゼントにリクエストしてお店のスタッフからもらった、お気に入りの野田ほうろうのバターケースからバターを取り出し
、焼きたてのパンに塗る。
独身男性のほとんどはバターをケースに入れるなんて理解できないだろう。
しかし彼にとっては、大事な事だ。
自転車で出勤して、朝の掃除を終わらせ、
いつも通りの仕事をこなし、営業が終わると人形を相手に練習をして帰り、fuluで動画を観て気がつけば寝ている。そんな日常に特に不満はなかった。
不満はないと思い込もうとしていた、、。
花粉の飛び始めた2月の少しすいてる昼間。
先輩スタイリストのヘルプの際に、
お客様にたずねられた。
自信が足りない。
それが知識の少なさなのか、実績なのか、性格なのかは分からない。
しかも周りの人間は、あるスタッフと、高橋をいつも比べて見ていた。
1つ年下の、テッシーこと手島綾子だ。
テッシーは両親に美容師を持つだけあり、天性の接客肌の持ち主だ。その人懐っこさから、お客様からの人気も差が出ている。
2人は仲が良い。それゆえに、なかなかライバルという存在には見れずにいた。
先輩スタイリストのオカジマは、そんな2人を黙ってみていた。
ある日高橋は、店長の常連のお客様からクレームをいただいた。どうやらブローの際に不快感を与えてしまったようだ。もちろん終礼で叱られた。
その後、暗い店内で。
これは漫画バンビーノの名言だ。
商品にしても、シャンプー解析とかいうサイトもあるし美容師もいくらでもいます。僕じゃないとダメって思わせられる何かが見つかりません。
それなら、まずは選び方のポイントだけ提供してみよう!
サイズ、価格を知る。
大体の製品が200ml〜1Lくらいで展開されています。200mlはショートヘアで1ヶ月〜1ヶ月半くらいです。
シャンプー変えて髪の調子が悪くなったとはよく聞く声です。初めて使うシャンプーは、値段は割高になりますが、まずは無難にお試し用の小さいサイズを選びましょう。気に入ったら特大で。
ドラッグストアで販売しているシャンプーは大体500mlで、600円前後が相場。
美容室で販売しているシャンプーは500mlで3000円前後が相場。
大体5.6倍くらいの値段の差があります。
シャンプーには界面活性剤という洗う主成分の原価率にかなり開きがあるので、製品の料金もこんなに開きがあります。
安全性は必要か。
敏感肌の方は少し高くても、サロンや皮膚科のものを。 肌の強い方は、すぐには気にしなくても○。
美容師さんなら常識ともいえる、いわゆる高級アルコール系の界面活性剤がもたらす影響。これはアミノ酸系その他もろもろの成分と比べて、タンパク変性、、ざっくり言うと髪や肌の細胞を変化させると言われています。
しかし、アレルギー物質に関しては、メーカーの研究者の方の答えでは、精製技術の向上で不純物を限りなく取り除いてあるので減っているとの事。
界面活性剤は複数で構成されている事が多く、配合量のバランスにもよるので一つの成分で一概に悪いとは決められないのが結論のようです。
とはいえ、頭皮トラブル、首元あたりのニキビ等はヘアケア剤が肌に合っていなくて、流し残しによるトラブルが多い。 他のモノに変えてみたらすぐに治るパターンも。
アレルギーは、今まで大丈夫でも突然現れたりします。心の準備はしておきましょう。
香りが好きか。
シャンプーでちゃんと頭を洗っているのに、朝起きたらシャンプーの匂いしないし、一日中香りがしません。
どうやったら一日中良い香りが続くようになりますか?
香りは大事です。
個人、対人、恋愛においても。
しかし香りは薄くなっていくのが普通です。ひたすら空気に触れてるのに、次の日の夜まで香りがしっかり続くのは、少し違和感を感じませんか?
慣れた香りは自分では分からないので、周りに意見をもとめましょう。
質感(軽さ、重さ)が求めるものか。
筆者の経験上、価格が安いものは、シャンプーにもトリートメントにもコーティングが強力で、重く仕上がるものが多いです。
乾くのも遅くなります。
一週間後の質感で判断しましょう。一週間後に最初よりしっとりするなら、それはコーティングが蓄積しているということ。そのまま使い続けるとどんどん重くなっていきます。
そうならなければクリアです。
シャンプーは汚れを落とすもの。トリートメントやスタイリング剤が落とせていないと、泡立ちにくく、乾きづらく、ベタッとした”オーバートリートメント”な状態に。カラー、パーマの邪魔もします。
友達の髪と比べるか、美容院に行った時に、「私の髪は泡立ちにくいですか?」と尋ねてみてください。
小さい頃からの悩みなのですが、毎日髪の毛を洗っているのに、次の日の夕方には、もうベタベタになってしまします・・・。
髪には何もつけていませんが、友達に、「なんか髪ぬれてるよ?」とか、「ワックスすごいね」と言われるほど、ベタベタになります。
ちゃんと毎日髪の毛を洗っているのに、なんだか不潔に見られて、とても嫌です。
髪の量は少なく、癖毛もありません。ストレートです。パーマ・縮毛矯正・ストパー・染毛はしたことはないです。
また、シャンプーは、「べたつきが気になる人用」の、「ヘッドスパ」を使っています。
スキンケアの側面でもありますが、この例は逆に、油分を奪いすぎて皮脂分泌が過剰になっている可能性が高いです。 対策は、
- お湯の温度を下げる(熱いお湯は脱脂力が上がります。)
- 他の製品に変える。(洗浄力が強すぎる)
- しっかり乾かす。
- 美容師さんオススメシャンプーでもダメなら皮膚科に行けば専用のシャンプーをもらえます。
- ダメージヘア用、カラーヘア用、くせ毛用などの商品の特徴は、油分が多く、指通りが良いが重く仕上がるものが多い。
これは傾向です。あとは色の持ちを保つ成分が入っていることもあります。
- オイルシャンプー、ノンシリコンシャンプーとは
ほとんどのシャンプーには手触りを良くする成分が1%ほど入っています。それがシリコンなのか、他の油分なのか、そこの差です。それだけで優劣は決められません。 気にしなくて結構です。大事なのは使用感です。
結論として、全員に合うヘアケア剤は存在しません。お客様の予算、求める質感や使用感、ダメージレベル、好きな香り、肌の弱さ。スタート地点ではみんな違うから。
お客様の価値観がこちらに追いつくように少しずつ伝え続けると、いつかは納得していただけると思います。
その時のために、自分でも色々使ってみて、色んな方に普段使ってるモノを尋ねて、質感を把握する。オススメのモノを家庭でも使ってもらって生のレビューを聞く。
この経験値を増やした人が、お客様に、信頼している人に選んでもらった安心感という付加価値を与えられます。
まとめ
- 配合量の比率の載っていない成分表示だけ見ても、結局使ってみなければわからない。小さいサイズで色々試すしかない。
- 肌トラブルは製品が合っていないのがほとんど。
- シャンプーの洗い上がりがサラサラ、というのは特に意味をなさない。その後トリートメント(コンディショナー)も終えて、お風呂を出て乾かした時が全て。
- 乾くのが遅いと感じているなら、皮膜が蓄積している(オーバートリートメント)事を疑いましょう。
- サロンで選んでもらうと安心感が得られる。
こうやって高めていくんですね!
こうして高橋は自信をとりなおし
一流の美容師への道を歩み直したのだった。
時間がなかったから
野田ほうろうじゃなくて
似てるだけのノーブランドなんだ、、。
高橋に明日も平穏な朝は訪れるのか、、。