近年、イルミナカラー、スロウやアディクシーなど、カラー剤がいちじるしく進化していますね。
そんな中、hoyuさんから新しいカラー剤”アプリエ”が登場しました。
完全に美容師さん向けに、気になるスペックなど解説と、実例を紹介していきます。
結論でいえば、従来のヘアカラーの限界の明るさを超えて、色をしっかり発色させることが可能なカラー。
薬剤スペック
3剤式という新しいカタチ。
3つめのPCパウダーに入っている過炭酸ナトリウムが、酸化重合を促進してくれます。
それによりリフト力と発色と色持ちが上がります。
逆に1剤にはアルカリの量が少なく、刺激が少ない。
との事です。
(実際の使用感は後述)
この過炭酸ナトリウムをヘアカラーに混ぜたのが業界初のようです。
メラニンは削るけど染料は壊さない
メラニン色素だけ削ってくれるのでハイトーンで濃い色味が実現できます。
逆に染料を壊したい場合はブリーチや脱染剤など専用薬剤で。
作る時の注意点
1剤:2剤:PCパウダー 1:2:10%
と、少し計算が面倒になります。
過炭酸ナトリウムは水に弱いので、混ぜる時のカップに水分の無いようにするのは必須とのこと。
ウェットの髪に塗るのはオッケーなようです。
プロマスターのハイトーンのカラーと同じくらいのダメージで発色が良く、
感触向上成分がしっかりしているので、
手触りは良い。そんなヘアカラー。
抜けた時に黄色味が出来るだけ出ないように、灰色の色素が残る設計。
すぐに色が抜けて黄色くなる事はないわけです。
とはいえ、元々のメラニン色素は削るわけなので、最終的に抜けた時の明度がどうなるかも計算しておかなければいけません。
染料濃度を数値化すると
(染料濃度は左の黒字)
プロマスターでいうA7/6の7の部分が染料濃度なわけですが、
それと同じ濃さの染料が11レベルのリフト力のお薬に入っているわけです。
染料、かなり濃いです。
コントロールカラーの使い方がみそ
コントロールカラーは11レベルのリフト力を持った、7レベルの染料の濃さの薬です。
一般的なアクセントカラーは5.6レベルのリフト力に5,6レベルの染料濃度をかねそなえたモノ。
それと比べると、ブリーチ毛とかじゃなければ大胆に混ぜても良さそうです。(hoyuさんも単品使用でも推奨しています)
モデルで実験
ではここから3名のモデルで3色試していきます。
- [モデル1]ベース12.5Lv残留色素なし。
- [モデル2]12Lv残留色素なし
それぞれ根元、毛先塗り分けで20分放置。
仕上がり&レシピ
1.
根元
セピアグレージュ 11Lv:ブルー 3:1 オキシ4%
毛先
セピアグレージュ 15Lv:ブルー 5:1 オキシ6%
明度も上がり、オレンジ味が消えたのでまろやかさが出ましたね。
2.
根元
ラベンダーアッシュ11Lv:ブルー 1:1 オキシ4%
毛先
ラベンダーアッシュ15Lv:ブルー3:1オキシ6%
*この髪色だけ色味がわかりにくいので、自然光で撮り直したのがこちら。
ブルーが効いてオレンジ味が薄くなりましたが、ラベンダーアッシュのラベンダー味は薄めな気がします。
オーキッド感を出すならvioletプラスかな?
(後日別の方でラベンダーアッシュ)
根本
ラベンダーアッシュ11 4%
毛先
ラベンダーアッシュ13 6%
暖色スタートなので分かりにくいですが、ツヤ感含めいい色でした。
3.
根元
オリーブグレージュ11Lv:グリーン 1:1オキシ4%
毛先
オリーブグレージュ15Lv:グリーン4:1オキシ6%
一番わかりやすい結果になりました。
ブリーチ部分のグリーンの激しさを見ると、染料の濃さが一目瞭然。
上の二人はかなりカラーに肌が弱い2人です。
感想は、「痛いけど、他のよりは全然マシ」だそうです。
まとめ。
特にグリーンの発色を見ていただくと分かりやすかったのですが、染料が濃く、明度もしっかり上がります。
一般的に求められているハイトーンの仕上がりには、ワンプロセスで幅広いパターンに対応できると思います。
15Lvの薬剤にコントロールカラーを増やせば、さらに高明度と発色の両立も可能でしょう。
手触りも良い。
他のかたで事前に試した髪の経過を見ても色持ちも良く、
良いカラー剤ですね。
参考にしてください〜。