どこからどこまでが、トリートメントなのか。
例えば、カラーの前に、
「前処理のトリートメントをしていきますね」
という美容師さんもいます。
中間処理、後処理、ホームケア、、、。
全て一括りにしてしまえばトリートメントですが、全て役割は違いますし、美容師さんにより考え方も違います。
2016年現時点では、トリートメントの考えで必要なのは、3つだけです。
1.薬剤の力を減力させるための前処理トリートメント。
図のように、一本の髪の毛で考えた時に、ダメージは部位により変わってきます。
毛先のダメージ部分が一番薬剤は反応し易いので、薬剤の反応を弱めたい場合に使う前処理です。
これをするから傷まないわけではなく、ただダメージレベルを合わせるという役割です。
私はよほどのことがない限り使いません。薬を塗り分ければいいので。
2.残留物質を除去するトリートメント
カラーやパーマには髪に残ってほしくない、アルカリやオキシなどの残留物質が配合されています。
こちらを後処理として除去作業するのは、とても大事な作業です。
治療というより、歯磨きに近い、予防の発想ですね。
歯も、虫歯になった後より、虫歯になる前の方が、対処が簡単なのと同じですね。
3.短期間手触りや質感を良くするトリートメント
髪の中に入れる大きさの補修成分は、髪の中から出ることも可能です。
ずっと留まり、美髪に保ってくれる成分は今のところありません。
1日〜2週間。物により持ちは違いますが、
髪の、余分な付着物を取り除き、まっさらな状態にしてからコーティングにより手触りを良くするもの。
ヘナを使い、ハーブトリートメントとして質感をしっかりさせるもの。
その他ガラスコーティングの様な強力なモノで無理やりツヤを出す悪質な物もあります。
どれもその時の質感は向上しますが、コーティングが強力すぎると、それはもはや塗装の領域になり、
色々な弊害が出てきます。
ただ、それなりの処方で、回数もやりすぎなければ、綺麗に保つための良いツールです。
美容師さんは、この辺りを見極めることが大事な要素だと思います。
あとはカルシウムイオンを除去するトリートメントもあります。
ごわつきの原因なので、質感はわかりやすく向上します。
ちなみに私が使用しているのは、残留物除去トリートメントと、適度なコーティングトリートメントです。
評判は上々です。
まとめ
モノによりやったほうが良い、が結論になってしまいます。
技術者によりトリートメントをどういうものと捉えているかは異なりますが、
「やり続ければ、髪は綺麗になります」
というのは細胞を再生するわけではないので少し語弊が生まれそうですが、やり続けた方が髪がダメージしにくくなるトリートメントもあります。
大事なのは、
綺麗な髪になるためのステップを、他の施術も含め長期間で導いていくという信念こそ、
技術者に必要なスキルです。