サロントリートメントについて、色々な意見がありますが、僕の結論は、
どこからどこまでをトリートメントというのか、
きちんと目的に応じてつかっているのか、
適切な表現をしているのか。
それが全てだと思います。
理解せず使うのも良くないし、
他のものを悪くいうことで自分の商品の価値を高めようとするのもフェアじゃない。
(確かにとんでもない商材も中にはあるので、難しいところなんですが、、)
ということで、
このブログを読んでいただいてるかたの中には、美容師さんもいるし、髪にマニアックな一般のかたもいると思うので、今日は少し専門的なお話です。
世の中のほとんどのものって酸化することで劣化します。
酸素は生きていくうえで必要ですが、それが人の細胞にも悪い影響を与えることもあるんです^^;
まずはそんなお話。
システイン酸
髪のダメージの指標といわれています。
これが多いとダメージ毛ということです。
髪の毛は、s−s結合というもので主に形を保っています。
このs−sが形を保っている時はいいのですが、これが活性酸素により過剰に酸化されると、ちがう分子配列になってしまいます。それがシステイン酸です。
これは
- パーマなどでs−s結合をいじったとき&2液を放置しすぎた時
- カラーの2剤
- 紫外線を浴びた時
主にこんな時発生します。
これが髪の中で増えると髪にハリ・コシがなくなります。
抗酸化成分が大事
ということで活性酸素に対抗しましょうってことで、抗酸化成分を髪にも付けてあげることが大事です。
これがヘアトリートメントに必要な要素その1です。
活性酸素は多くの場合、体にもとても良くないので、抗酸化性のある食べ物をたべることは、病気の予防や老化予防にもとっても大事です。僕の食べ物のおすすめは、ブロッコリースプラウトとトマト。
手軽に手に入り、効果が高いです。
疎水と親水
- 疎水=水になじみにくく油となじみやすい。
- 親水=水となじみ、油を嫌う。
ダメージ毛は親水毛
キューティクルは1番表面に水を弾く性質の部分が多く、ダメージしてそれがなくなると親水部分が露出してきます。
だからダメージしてくると髪は水を吸うようになり、乾きにくくなるんですね。
ブリーチすると乾きにくくなるのはこれです。
水でも髪は傷む
簡単な髪の図です。
1番外にキューティクル
その後水に馴染みやすいアミノ酸
その後水に馴染まないアミノ酸
まず前述のダメージか摩擦など、なんらかのダメージでキューティクルがはがれます。
水に馴染みやすいアミノ酸を連れていってしまいます。
さらに水が侵入して追いやられると、
疎水性同士はくっつく性質があるので、
髪の中はどんどん隙間だらけになっていきます。
海の水で髪が傷むのは、アルカリ性なのでキューティクルを開いてこれを連れてってしまうからというのもあります。
サロントリートメントでは疎水化することも大事です。
ちなみに疎水同士はくっつく。=髪はきしむ。
にもなりますのでその後の油分補給はしっかりします。
残留薬剤除去
アルカリや過酸化水素が髪に残ると髪がデリケートな時間が長くなります。
カルシウムイオン除去
水にはカルシウムイオンが含まれています。いわゆる水アカになるものですね。
硬水になればなるほど多くなります。だから海外に住むと髪が固く感じます。
銅イオンを取り除くヘアカラーが近年話題ですが、圧倒的に髪にはカルシウムイオンが付着しています。
これを取り除く、または封鎖してあげると質感が柔らかく手触りも良くなります。
ただ、毎日の生活でまた付着していくので、追いかけっこ状態にはなってしまいます。
ダメージの加速を防ぐためのまとめ
美容師側
- 疎水化すること
- 活性酸素除去
- 残留薬剤除去
- カルシウムイオン除去
- 髪の穴埋め
お客様側
- 1日で髪を洗うのは一回。
- 過度の摩擦でキューティクルを剥がさない。(特に濡れた時)
- 熱でたんぱく質を変性させない。
疎水化、活性酸素除去は美容師側のサロントリートメントに大事な要素です。
あとはとにかくまずは最初の要因をなくすため、カラーの時に強い薬剤を使わない、パーマ2液の適正タイムなど美容師側の配慮が必要です。
…..
髪の毛の事はまだまだ不確定要素がたっぷりです。まだまだ研究途上のようです。
世の中には確実なものなんてあまりなくて、仮説がほとんど。
もっと科学が進歩すればひっくり返ることなんてたくさんあります。
天動説が地動説に変わったように。
でも、確実ではなくても、確率の高いこと、実感できること、、やったほうがいいと思うことはやったほうがいいんです。
それが誰かのためになるのであれば♪