(権威に騙されちゃいけないな)
この話を聞いた時、僕はそう思った。
僕の友達の、ある一人暮らしの女の子の話。
夜中2時頃、アパートに1人でいると、玄関をノックされた。
こんな時間に、だれ、、、?
恐る恐るそっとのぞき穴をのぞくと、
警察官が1人立っていた。
彼女はほっと安心してドアを開けた。
するとその警察官は、
「このあたりで事件が起きました。
申し訳ないのですが、一応犯人が家の中にいないか確認させてもらってもよろしいでしょうか?」
彼女は断ると、
「もしかくまっていると、あなたも罪に問われますよ?」
怖くなった彼女は、その警察官を家の中に入れた。
家の中を見回し、トイレやお風呂なども一通り確認したら帰って行った。
その話を翌日僕に話した彼女に、僕はこう言った。
「警察官が家に令状ナシで入る事ってないらしいよ」
、、、そう。
令状ナシでの家宅捜査は法令違反。
夜中にそんな事をしたらもちろんアウト。
しかも僕の記憶では1人で行動する事もない。
その警察官はニセモノだったのだ。
おそらく、警察官のコスプレをした変質者で、
家に上がり込んだ後に何か悪さをするつもりだったのであろう。
特に上京したばかりの若者などは、こういう悪者に騙されやすい。
東京には、鬼が棲んでいる事を心に留めておかなければいけない。
、、、よく考えると恐ろしい出来事にしばらく震え上がったのち、何もなくて良かったと安心したら、彼女はもう1つの出来事に気がついた。
「私は、、タイプじゃなかったってコト?」