さて、今日は少し専門的なお話です。クラシエの研究所の方々が、
濡れている状態では、どこにどれくらいのダメージが起きているのかを発表してくれています。
これを読んでいただけると、多分濡れたまま寝る事がとても怖くなる事でしょう。
ヒトのキューティクルは5〜10層重なり合うように存在しています。
キューティクルも重なり合っていて、シスチンが多く固いA層やエピキューティクル、エキソキューティクル。
シスチンが少なく親水性のアミノ酸の多いエンドキューティクル、水分や油分、各種薬剤の浸透経路とされているCMCからなっています。
乾いた状態ではエンドキューティクルに十分な強度があるため、摩擦を受けると、なにも起きないか、1枚のキューティクル全体が欠け落ちます。
濡れている状態では親水性(水に馴染みやすい)のエンドキューティクルの弾性率が3分の1まで落ちます。
そこで激しい摩擦はあると簡単に裂けてしまう。
(エピやエキソキューティクルを剥離させ、エンドキューティクルの一部だけを露出させる)
するとツヤ感、手触りの悪化になる。
ということで、髪のために洗髪作業を行っているけど、
激しくやると、その作業で髪を傷めている可能性もあります。
なんか、、、うちの母とか、年配の方って2日に1回くらいしか髪を洗わないけど、それはそれで髪には良いのかもしれませんね、、。
ちなみにクラシエさんの研究ではエゴマ油をヘアケア剤に入る事で濡れてもエンドキューティクルを裂けないようにして、キューティクルの剥離を抑えてくれる、という研究結果のようでした。
さて、難しい言葉がたくさん出てきましたが、
なんとなく濡れてる状態が摩擦に弱い事は感じていただけたでしょうか?
お客様は濡れてる状態は特に摩擦に気をつけていただき、
美容師側はカラーや縮毛矯正などでコーミングするときは特に気をつけなければいけません。
そもそもあまりコーミングしない事が大事です。アルカリ性のお薬つけて時間が経って、膨張している時なんかは特にですね。
優しく、優しくです。
とはいえ乾かす事がとても面倒で時間がかかる事は知っています。
今ずーっと、早く乾く方法を考えて実験していますので、もう少しお待ちを、、、。
参考:fragrance journal