もうすぐ春なのでヘアカラーをドラマティックに表現してみた。

(あ!予約しなきゃ!)

私は友達に紹介してもらった初めての美容院に、ヘアカラーのネット予約を入れた。

特にイベントの前でもなければ、変わりたいわけでもない。
ただその友達に「プリンなんとかした方がいいよ」と指摘されたからだった。

当日、予約の時間になり、誰もが知ってるオシャレで敷居の高い街にあるそのサロンに入った。

担当の美容師は背が高く、髪のサラサラした爽やかな男性美容師だ。
年齢はいくつくらいだろう?美容師という生き物は、みな総じて年齢が分からない。

カウンセリングが始まると、その美容師さんは、私の肌に合う色と髪型との重さとの相性、さらに季節感を取り入れた色を組み合わせて提案してくれた。

、、、いつものなんとなくオーダーして、なんとなく決められた感のあった、過去のヘアカラーとはどこか違った。

黒いナイロン製のクロスを身につけられ、
耳にカバーをかぶせられる。

カラーがしみるのが気になるか尋ねてくれた彼は、頭皮にベタ付けしない塗り方を提案してくれた。

私はいつもカラーを塗られている時間が好きじゃなかった。
少しヒリヒリする頭皮に違和感を感じながらも、こんなもんかなと思う私に、
美容師さんはまるでマニュアルがあるかのように「しみないですか?」と聞く。

でも今日は、塗られて何分経っても大丈夫だった。
少し安心した私は、気がつくと美容師さんにこちらから話をふっていた。

「この仕事長いんですか?」

「10年くらいですかね、、」

「接客って大変ですか?」

「ぼくらの仕事はそうでもないですよ。結局自分のお客さんになってくれる人は、波長の合う人が多いですから」

「初めてのお客さんはどうですか?」

「紹介の場合だったら、それも不思議と気が合う場合が多いです」

私は今の2人の空気感を感じて、確かにな、と納得した。

しばらくすると恋愛の話になり、男性のいいなと思う瞬間を聞かれた。
こういう時、特定の誰かを思い出して話すものだ。

「コワモテの男の人が、動物好きだったり、魚の食べ方がキレイだったときかな」

言い終えたあと、私は恥ずかしさを隠すように雑誌を読んでごまかした。

すると彼は、

「ギャップが好きなんですね、分かります」

「僕も、普段マジメなのに、たまにふざける時の小池百合子さんに惹かれます」

、、、同じかな?
まぁいいや。

確かに私はギャップに弱い。
でもみんな気づいてないだけで意外性に弱いのは全人類だよね?

飲み物を出されて時間がたち、シャンプーされて、乾かされると、、、。

健康的なツヤと、私のイメージに似合う色が、髪に宿った姿が鏡にうつっていた。
春らしくトーンも少し軽い感じにしてくれた。
仕上がりはもちろん満足だ。

お会計をして外に出ると、街のショーウィンドウにうつる私の表情はイキイキしていた。
少しだけ、このオシャレな街に馴染んだ気がした。

彼は、ただ髪を綺麗にしてくれただけじゃなかった。
それを通して、自信を提供してくれた。

おなかすいたなぁ。