職人は臆病であれ。

その時ぼくにはその言葉の意味が分からなかった。

僕が20代前半のころ、
BRUTUSの特集で掲載されていた、
プロに必要な要素は何かをたずねられたゴルゴが言った言葉だった。

(僕はゴルゴ13という漫画はほぼ読んだ事がない。
主人公の眉毛の強い人のコードネームがゴルゴ13で、凄腕の殺し屋で、背後を取られる事を極端に嫌うことくらいしか知らない)

「10%の才能と、20%の努力。
そして30%の臆病さ。残る40%は運だろうな、、、」

、、、30%の臆病さってなんなんだ?

僕は臆病な人間で、
先の事をよく考える。
何も気にせず生きている人がうらやましかった。
だから余計にこの言葉が気になった。

でも、、今ならよく分かる。

、、、

僕は美容の仕事が大好きで、
“人をデザインする”という事が楽しくて仕方がない。天職。

楽しいけど、、髪を切ったりするのはよく考えると凄く怖いことで、
それは髪の毛というのが体の一部だから。

美容師は、ファッション業界?
たしかにファッションと連動するけど、僕は医療に近いと思っています。

髪の毛は体に常にくっついているもので、
取り外しが出来ない。
そして、それの調子が悪いとメンタルの調子にも直結する。

美容師はそれを切ったり染めたり曲げたりする仕事、だからこその国家資格。

もちろん自信があるし、怖いなんて思いながら切っていない。

でもそれは、先の想定をしてきたから。
今でも練習するし、まだまだ上手くなりたい。
口達者な商人よりも、本物の職人でありたい。
その過程が充実するかどうかは根本に怖さがあるかどうか。
怖さがなければ本番を迎える前に大した準備はしない。
そのトライアンドエラーで人は上達する。

仕事でもなんでも
チャレンジしないのは1番良くない。
準備だけのただのチキン。
でも無謀と勇敢は違う。
怖さを知ることは大事だよね。

”臆病さを武器に起こりうる出来事を想定して、
才能と努力で備え、
いつでもチャンスをつかみに行ける、勇気のある運のいい奴でいること”

話が長くなってしまいました。

さぁ!これであなたも!立派なゴルゴに!!

追記
一流の左官職人のはさどさんも、
プロフェッショナル仕事の流儀で、同じ事を言っていました。